「100万人に一人の逸材になれ」―奈良市立一条高校校長、藤原和博が大学生に伝えたいこと (4/5ページ)
いろいろ物議を醸す申し出ではあったようですが、結果的に杉並区の申し入れによって6万人の大所帯である東京都の教育委員会が検討を始め、任期付き雇用の条例が作られ、初めての民間人中学校長になることができました。そのほんの2年前までは、まさか自分が校長になるなんて、夢にも思っていませんでした。公務員の父に反発して、その対極の道を選んだつもりだったから、これは自分でも意外な進路でしたね。
■100万人に1人の人間を目指す
――そんな波乱万丈なキャリアを踏まえ、学生時代は将来のためにどう立ち回るのが正解なのか、最後にアドバイスをいただけないでしょうか。
藤原 大学時代は将来のためのベストチョイスは何かと悩みがちですが、自分自身の体験を踏まえて言うと、ある程度絞れたら、あとは時の運に任せたほうがいい。どれだけ考えたところで、何がベストかなんて、わかるはずがないんです。自分も変化するし、相手の会社も変化するから。だから、自分のやりたいことをある程度絞り込んだら、まずはその世界に飛び込んでしまうことが一番。現場でなければわからないことのほうが多いし、自分を最も成長させてくれるのも現場なんです。どんな現場を選んだとしても、それを10年後にベストチョイスだったと思えるようにがんばればいいんです。ようは「覚悟」の問題。
そして願わくば、自分ならではの"希少性"を大切に育んでほしい。まわりと同じ方向へ進むのではなく、我が道を行ければ、自分のレア度を上げられます。それが自分自身の付加価値になる。私自身、会社で40歳までに「営業」と「マネジメント」を学びましたが、それだけだとどれだけがんばっても1万人に1人の人材にしかなれなかったでしょう。
しかし、「営業」×「マネジメント」に3つ目の軸として「教育」を掛け合わせたので100万人に1人の希少性ある人材になれたと思います。そう考えて民間人校長の道を模索したんです。みなさんも、100万人に1人の希少性を目指して欲しい。オリンピックのメダリスト級の希少性であり、1世代に1人しかいないユニークさで生きるということです。