人事のプロが指摘 「長時間労働の常態化」を招く本当の原因 (1/4ページ)
先月発覚し、物議をかもした、電通・新人女性社員の過労自殺。
自殺した女性のtwitterには、日に日に追い込まれていく心境が綴られており、彼女の過酷な勤務状況の一端が明らかになった。
このような悲劇を繰り返さないために、日本企業にはどのような対応が求められるのか。
今回は、『入社1年目からの仕事の流儀』(大和書房刊)の著者であり、人事のプロフェッショナルとして多くの企業の人事改革に携わった経験を持つ柴田励司さんにインタビュー。
多くの日本企業がいまだ抜け出せずにいる「長時間労働の常態化」の真因について、お話をうかがった。
■年間の労働時間3000時間は過労死ゾーン ――柴田さんは長年にわたり人事改革のプロとして活動してこられたそうですが、現在、どのような仕事を手がけておられるのでしょうか。柴田:いま、最も時間を割いているのは、通販事業などを展開するパスという会社の再建です。それとは別に、次世代リーダーを育成するための取り組みとして、インディゴブルーという会社で「体験型ケーススタディ」という研修プログラムの運営も行なっています。この二つが、活動の8、9割を占めていますね。
残りの1割で、全国の学校の先生方に向けた講演活動も行なっています。これは10数年前に、教育関係者の職場環境を目の当たりにする機会があり、「あまりに可哀想な職場だな」と感じたことがきっかけで始めました。
――どのような点が「可哀想」だったのですか。柴田:長時間労働です。私が見た学校では、年間での労働時間が、平均3,000時間を超えていました。あくまで平均ですから、なかには年4,000時間という人もいたんです。
先日、厚生労働省が出した「過労死等防止対策白書」が話題になりましたが、「年間3,000時間」は過労死ゾーンといわれています。これを見ると「4,000時間」がいかに異常かわかりますよね。
――長時間労働といえば、先月発覚した、電通の社員の過労自殺に関して、お話をうかがいたいです。人事の観点から見て、どのようなことをお感じになりましたか。