【不朽の名作】これで終わっていればシリーズの評価も高かったかも「踊る大捜査線 THE MOVIE」 (3/3ページ)

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また、拉致された副総監と和久平八郎指導員(いかりや長介)の関係をそのまま青島と室井の関係性にスライドさせることで物語に厚みを持たせることにも一応成功している。

 そして、本作の予告編で目玉となっていたのが、青島が殉職するかどうかだった。有名な「事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだ!」のセリフの後から、クライマックスに向かう途中まで、完全に青島を完全に殺しに来ているノリで、かなりの緊迫感がある。負傷の描写もよく刑事モノである殉職シーンそのまま。しかし、最後の最後で大きな外しをする。それが本作中最大のギャグシーンとして語りぐさになるほどで、本作が危うい部分はありつつも、なんだかんだでギャグとシリアスのバランスを維持しきったことを象徴するシーンでもある。

 踊るがテレビシリーズでやってきたものに一応の決着をつけたのが、同作だった。正直おふざけシーンのノリ的にはその後の作品と大差がない。ドラマシリーズで未回収だった部分に答えを出すというメインテーマがあったので、多少の粗やツッコミ所があっても本作では許されていた。しかし、その後の作品では全くの新展開となるため、粗ばかりが強調され、酷評されていくことになる。また、本作とテレビシリーズのキャラの性格はそれほどズレていないが、その後の作品では答えに向かうために無理やりキャラを捻じ曲げる要素なども目立つようになる、そのあたりも評判の悪い理由だろう。今考えてみると、同作で終わりにした方が、踊るシリーズは伝説になっていたかもしれない。

 ちなみに、酷評されている続編の『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』だが、BL(ボーイズラブ)的な視点で考えると意外とよく出来ているかも。本庁初の女性管理官・沖田仁美警視正を完全に悪役として描いており、青島と室井の、ホモソーシャル的なノリをシリーズ中でもかなり強調している。その徹底ぶりは凄まじく、途中ですみれを負傷退場させてしまうほどだ。その結果に向かう為に、時々登場人物の知能指数が著しく低下しているのは問題だが…。他の2作は…。

(斎藤雅道=毎週土曜日に掲載)

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