個性派俳優ジェシー・アイゼンバーグが『母の残像』で演じた繊細なキャラクターを語る 「感情的に揺さぶるものがあるものにやりがいを感じます」 (3/6ページ)
彼の演じたコンラッドは非常に寡黙なんだれど、教室の中で一番頭が切れるのは実は彼だったりする、そういう役どころですが、彼自身にも似たところがあると思います。彼は16歳という非常に若い俳優です。僕も若い頃からやってますけど、彼と同い年だった頃は「コミカルにやりたい」、そのぐらいの考えしかなかった。でも彼は非常に芯があって、役に対してもアーティスティックな卓越した視点を持っている。非常に大した役者ですね。
--ご自身は演出家としての一面もお持ちですが、本作のトリアー監督の演出法で気になることなどはありましたか?
彼の、キャラクターの構築の仕方が非常に面白いと思ってます。普通はいろんな瞬間瞬間を見せることで、「恐らくこの人はこういう人物だろう」って想像させますよね。でも、この映画でもそうですけど、ヨアキム・トリアーのやり方は完全な人物像をまずは構築するんです。でもその人物像のほんの一部しか見せない。非常に労力もかかるし、繊細なやり方なんです。そこにインスパイアされたというか、驚きもしましたし、非常に感化されました。
僕自身も戯曲を描いていて、自ら出演もしますが、僕のアプローチの仕方は監督と似ている部分があるんです。役者と戯曲家としての両方の視点で役を描いていて、「このキャラクターはこの出来事に対してどう反応するだろう、どう反射するだろう」ということをいちいち考えながら戯曲を描いていきます。自分が演じるキャラクターの瞬間瞬間を見せて、願わくばそれが観客の中で想像力が膨らむような瞬間であって欲しいなと思います。戯曲では描かれていないけれど、舞台の外ではこのキャラクターはこういう人だろうなということが容易に想像できるような演出というか、舞台を目指しています。
--劇中では、母の孤独が浮き彫りに描かれています。