秋津壽男“どっち?”の健康学「難聴と耳鳴りで病院に行くべきは?“怖い耳鳴り”は1種類しかない!」 (2/2ページ)

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これは、昨日まで何ともなかったのに、目を覚ますと片側の耳が聞こえなくなったり、詰まる感じがする症状です。この場合、運がよければ自然に治ることもありますが、運が悪いと、症状が起きたその日にステロイドの点滴をしなければ聞こえなくなる可能性があります。もしも突然聞こえにくくなったら、すぐに耳鼻科へ行ってください。

 もう一つ、ゆっくりと聞こえにくくなる「聴力低下」もあります。いわゆる「耳が遠くなる」という症例で、これまでは「しかたない」とされた症状でしたが、最近は事情が違ってきました。静かなハイブリッドカーが走っているので、後ろから自動車が来たことに気づかないのです。聴力低下が交通事故のリスクを高めており、こうした危険を回避するためにも、外出の際には補聴器をつけたほうがいいでしょう。

 難聴の原因の一つが「耳掃除」です。以前にも申しましたが、綿棒で耳掃除をすると、耳垢を奥に押し込んでしまいます。この押し込まれた耳垢が鼓膜をふさぎ、聞こえにくくなるというケースは少なくありません。この場合、耳鼻科に行って吸引してもらうと、見違えるほど聞こえがよくなります。

 いずれにせよ、難聴になると会話が不便になり、近くの物音が聞こえずに危険を伴います。難聴のレベルにもよりますが、気になる場合は耳鼻科で検査をしてください。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「難聴と耳鳴りで病院に行くべきは?“怖い耳鳴り”は1種類しかない!」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2016年 12/22号耳鳴り“どっち?”の健康学秋津壽男ストレス社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
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