【日本人が知らないニッポン】加賀の至宝「山中漆器」に出会う (1/2ページ)
日本は「地域物産の国」と表現してもいいかもしれません。
亜寒帯から亜熱帯にかけてのびる島国、それが我が祖国日本です。
一個人では把握できないほど、各地域に様々な伝統文化や物産が存在します。しかし東京というコンクリートジャングルに住んでいれば、余計にそのことが実感しづらくなります。
だからこそ、たまには地方の物産店などの催事に足を運んで、乾いた心を潤してみてはいかがでしょうか。
・加賀の伝統工芸品
12月7日から13日にかけて、伊勢丹新宿本店において石川県在住の木地師・田中瑛子さんの作品展示会が催されました。
木地師とは、言い換えれば漆器作家。田中さんはこの世界では珍しい若手女性作家として、広く知られるようになりました。
田中さんの手がける山中漆器は、天正年間(西暦1573~1592年)に高度な木工技術を持った職人集団が今の石川県加賀市に定住したのが始まり。
この時代は戦国期の真っ只中で、織田信長や豊臣秀吉、徳川家康が戦場で荒れ狂っていました。
そんな中、様々な工芸品を作り出す職人はどの大名家からも重宝されていました。戦国時代は「いかに職人を囲い込むか」ということが求められ、彼らの働きがそのまま国力に直結したのです。
石川県は日本一の漆器の産地として知られていますが、その源流をたどると戦国時代に突き当たります。
・漆器と戦国
木地師は、森林伐採を許可する綸旨(朝廷から発給される文書)を持っていました。
彼らが材木資源に恵まれた土地で活動することができたのは、そうしたきっかけがあるから。