火葬後か、四十九日後か、信仰によって異なってきた「人の死」の基準 (2/2ページ)

心に残る家族葬



■本島はどうだったのか

一方いわゆる「日本本土」でも、筆者の出身地を含む近年まで火葬が非一般的であった地域や宗教宗派では、特に高齢者を中心に「火葬の際に死者が熱がるので、本来火葬は好ましくない」と考えられることがある。

しかしこれは筆者の出身地に限られたことかも知れないが、その種の地域などでは、火葬後の遺骨に対してには、案外良くも悪くもドライな傾向がある。それは一つには「火葬によって、故人の魂が肉体を離れて昇天した後の遺骨は、もはやいわば“抜け殻”である」とされるからであろう。

また、これは必ずしも死者の肉体が失われる過程での苦痛を和らげるためとされるわけではないが、「肉体を失う前の死者は、生の延長線上にある」とする信仰は、以下に述べるような習俗も生み出した。

■最後に…

与論島や沖永良部島を含めた奄美・沖縄文化圏、更にはそこに強い文化的影響を与えた地域の一つでもある朝鮮半島の全羅南道地域では、伝統的な葬儀や法事などの際、死者を哀悼し、死者に呼び掛ける歌を歌うしきたりがある。

これも、一つには「亡くなってから一定の期間内にある死者は、生きている状態の延長線上にあり、生者の言葉や歌声を聴いている」とする信仰のためである。

参考文献:奄美・沖縄哭きうたの民族誌

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