世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第204回 グローバリズムと外国移民 (2/3ページ)

週刊実話


 さらに厄介なのは、すでに流入した100万人単位の難民・移民を国外に「追放」「排斥」することは、現実問題として不可能という点だ。しかも昨年6月の時点で、ドイツにおいて給与を得られる職に就いている移民・難民は、前年同月比で2万5000人増えただけであった。6月までの1年間で、ドイツに流入した移民・難民数は73万6000人。移民・難民の就職率は、何と3.4%にすぎないことになる。
 結局、移民・難民はドイツ財界が望む「安い賃金で働く優秀な労働者」にはならなかったのだ。彼ら、彼女らの生活は、ドイツ国民の負担によって支えられることになる。

 国内でテロが頻発し、しかも膨大な移民・難民を自分たちの所得で養わされる。ドイツ国民の不満は高まっていかざるを得ないが、ドイツの移民問題はもはや「手遅れ」だ。今後のドイツは「手遅れ」の状況の中でどうにか改善をするべくあがき続けるしかない。
 ドイツをはじめとする欧州諸国が「移民問題」に苦しめられている状況において、わが国は安倍政権が猛烈な勢いで移民政策を推進している。日本政府は、外国人の研究者・技術者や企業経営者など、いわゆる「高度人材」について、永住権取得に必要な在留期間を現行の「5年」から、最短で「1年」に縮める方向で検討に入った。

 安倍政権は、現在、三つのルートで外国移民を増やそうとしている。
 一つ目は技能実習生制度の職種範囲の拡大だ。すでに安倍政権は、よりにもよって介護分野について技能実習生の受け入れを可能としてしまった。われわれの老後は、中国人に介護されることになるわけだ。心温まる未来である。
 二つ目は国家戦略特区に「外国人労働者」を受け入れるというルートになる。安倍政権は、これまたよりにもよって「農業分野」から外国人労働者を受け入れようとしている。日本の食料安全保障が外国人依存になっていくわけである。
 そして三つ目が高度人材の受け入れ拡大だ。高度人材に短期で永住権を与えるという政策は、外国人技能実習生や外国人短期労働プログラムとは異なり、
 「安い労働力を導入し、人手不足を解消する」
 という、日本国民の実質賃金を引き下げ、生産性向上を妨げる政策ではない。
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