世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第204回 グローバリズムと外国移民 (3/3ページ)
とはいえ、安倍政権の高度人材に短期で永住権を与えるという移民政策は、次の大きな二つの問題を抱えている。
その一つ目。法務省の出入国管理統計によると、'15年の「高度人材」としての移民数は2308人。内、中国人が1126人と、ほぼ半分を占める(参考までに、技能実習生の7割も中国人だ)。
安倍政権の「日本版高度外国人材グリーンカード」政策は、事実上、中国人に日本の永住権を「短期」で与えるという政策になってしまっているのだ。
中国共産党という独裁国家からの「人材」に、短期で永住権を与える。仮想敵国である中国の「高度人材」の受け入れを拡大する。正気の沙汰ではない。
二つ目。そもそも、外国の「高度人材」とやらに頼る前に、日本国民の「高度人材」を活用する方が先なのではないか。“ポスドク問題(高学歴ワーキングプア)”が発生している国で、なぜに外国の高度人材とやらに供給能力を依存しなければならないのか。
それほどまでに、日本国民は優秀「ではない」のだろうか。あるいは、わが国は幕末から明治初期にかけた日本国のように、一時的に発展途上国(技術力が低く、生産性が低い国)に落ちぶれてしまったのか。
そんなはずがない。
日本国は、日本国民である「高度人材」の力により、十分に経済成長が可能な国だ。それだけの「蓄積」がなされている。
それにもかかわらず、日本政府は大学の予算を削り、教授ら研究者に「短期の成果」を求め、反対側で外国人(しかもメインが中国人)を入れようとする。
これで「亡国」に至らなければ、そちらの方がむしろ不思議である。
みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。