世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第204回 グローバリズムと外国移民 (1/3ページ)

週刊実話

 現在の世界の政治、あるいは歴史を動かしているのは、右対左、保守対リベラルといった旧来の対立構造ではない。「グローバリズム」対「グローバル化に疲れた国民」こそが世界の政治を動かし、イギリスではブレグジット、アメリカではトランプ当選につながった。

 モノ、ヒト、カネの国境を越えた移動の自由化、すなわちグローバリズムは、時に「国民」が思いもよらなかった結果をもたらす。中でも問題になるのが「ヒトの移動の自由化」である。理由は、モノやカネとは異なり、ヒトはコントロールが難しいためだ。
 ヒト、すなわち人間が何を考えているのか、いかなる行動をするのか、管理は不可能である。モノやカネに比べ、最も汎用性が高い「人間」の国境を越えた移動の自由化は、時に歴史を大きく動かしてしまう。特に、テロリズムの蔓延によって。
 “前回のグローバリズム”の末期、1914年6月28日。オーストリア=ハンガリー帝国の皇太子であったフランツ・フェルディナント大公が、共同統治国ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボで、ボスニア系セルビア人の民族主義者ガヴリロ・プリンツィプに暗殺されるというテロが発生。この事件が発端となり第1次世界大戦が勃発した。テロリズムが、歴史を動かしてしまったのだ。

 テロリズムとは、「暴力や恐怖によって政治上の主張を押し通そうとする」主義になる。
 昨年暮れの12月19日午後8時ごろ、ドイツの首都ベルリンのクリスマス・マーケットに大型トラックが突っ込み、12人が死亡、数十人が負傷するというテロ事件が発生した。テロリスト集団『ISIL』は、犯行声明において、
 「ベルリンでトラックを使った攻撃を実行したのは『イスラム国』の戦闘員だ。十字軍を狙う呼び掛けに応じたものだ」
 と、主張している。

 昨年、100万人もの難民・移民を受け入れたメルケル政権にとっては、痛恨事以外の何物でもないだろう。メルケル首相は、「現状からするとテロと見なさなければならない」と、治安対策に乗り出す意向を示したが、今後は、「メルケルが移民・難民を入れたから、テロ事件が頻発するようになったのだ!」という国民からの声に痛めつけられていくことになる。

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