好調JTBの裏で97%減益 逆襲狙うエイチ・アイ・エスに立ちはだかる壁 (2/2ページ)

週刊実話

それにもかかわらず明暗が分かれたのは、海外旅行に力を入れ続けたHISと、国内旅行でも従来の旅より一歩先を行く企画を提案したJTBの差がはっきり出たからです」(旅行コンサルタント関係者)

 この関係者によれば、JTBは旅行売上高のうち、海外旅行は4804億1400万円で、対前年比9%落ちている。しかし、国内旅行は5%増6046億円、さらに海外からの訪日旅行などの国際旅行は24.2%増の1224億円で、24%も増加している。
 「JTBといえども、海外旅行では落ち込んでいる。しかし一方で、インバウンドで大幅に伸ばした上に、国内旅行客向けに地域活性化に取り組んできたDMCとしての戦略が大きな成果を上げたのです」(同)
 DMCはDestination Management Companyの略で、単に旅行での宿泊と交通網、観光スポットを紹介するだけでは客を呼べないとするJTBが掲げる事業モデルだ。例えば、北海道の酒蔵と提携したスタンプラリーの『パ酒ポート』。酒蔵を訪問すると特典やプレゼントが付き、地域の発展にもつながるといったサービスを各地で行っている。

 ともあれ来期の逆襲を狙うHISは、昨年の熊本地震の影響で客足がマイナス6.9%で289万人に落ちた、子会社で稼ぎ頭の『ハウステンボス』(HTB=長崎県)でも、341万人への増加見込みで業績回復を狙う。
 「HTB自身が新アトラクション王国を作る。さらに免税店などを備えたショッピングモールの新設置を加え、HTBから約6キロの大村湾で無人島を購入し、アトラクション施設をオープンさせる計画もあります。そのため集客と話題性に自信を伺わせているのです」(経営コンサルタント)

 だが、シンクタンク関係者からはこんな懸念の声も聞かれる。
 「欧州のテロ脅威は、先頃のドイツでのトラックテロでも分かるように、少しも衰えていないのが現状。HTBは中国やアジアからの入場者にも期待をしているというが、世界中から観光客を集めるUSJも、今年早々に新アトラクションを始める。さらにHISには、ネット旅行会社の台頭も立ちはだかる。JTBと比較しても、HISはネット対応への遅れが指摘されており、経営陣は早急に新システムを立ち上げるとしているが、果たしてどこまで対応できるのか」(前出・旅行業界関係者)

 HISは'16年秋、一度陣頭指揮から外れた澤田秀雄氏を再びCEOに据えるなど経営のテコ入れに躍起で、「澤田氏は最終兵器として、HTBへのカジノ導入を狙って奔走している」(周辺関係者)という話も聞こえてくる。
 果たして、本業の旅行業の回復とともに業績も増収増益へ結び付けられるか。

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