世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第206回 「意見を表明しない」という意見 (2/3ページ)
よって、この地を都とすべきだ」
と、東征を開始。瀬戸内海を東進し、当時は海であった浪速国(現、大阪)に到達。当地の支配者であった長髄彦(ナガスネヒコ)の軍と孔舎舎坂で戦い、敗北。
その後、神日本磐余彦の軍勢は紀伊半島をぐるりと周り、八咫烏(天照大神の分身)の案内で大和の国に到達。長髄彦の軍を下し、大物主の娘である媛蹈鞴五十鈴媛(ヒメタタライスズヒメ)を妻とし、52歳で始馭天下之天皇(ハツクニシラススメラミコト)として即位した。
すなわち、神武天皇である。現在の第125代天皇陛下は、神武天皇の血を引くお方、すなわち天照大神の子孫ということになる。
ちなみに、伊勢神宮(正しくは「神宮」)には、素戔嗚尊の狼藉に絶望し、天岩戸に天照大神が立てこもり、世界が真っ暗になった岩戸隠れの伝説にまつわる「八咫鏡」が祀られている。八咫鏡は、もちろん皇室の三種の神器の一つであり、天照大神のご神体だ。
神話の時代から続く皇室を戴いている国は(「王室」であっても)、世界にわが国のみだ。日本国は世界最長の皇統たる「天皇」を戴くからこそ、世界に冠たる国なのだ。日本に皇室がなければ、わが国は単なる「極東アジアの中進国」である。
陛下や皇室は、日本国の「国体」そのものであり、憲法やら民意やらで決めていいものとは、到底思えない。われわれ現在に生きる日本国民は、皇統や天皇について、どれほど正しく理解しているのだろうか。2000年という長期にわたり、万世一系を維持してきた歴史、意義を、本当に理解しているのか。
国体の問題について、
「陛下がお可哀想だから…」
といった感情的な判断をして、本当に構わないのか。
筆者個人としては、陛下の譲位問題について、一般国民が無責任に「意見」を表明するのは、いかがなものかと思う。皇室の行く末を決めるということは、2000年前という古(いにしえ)から存在するわが国の「国体」について物申すという話になってしまうのだ。
少なくとも、移ろいやすい「世論」に従って「国体」の在り方を考えてはならない。正直、政治家が決めて良い問題とも思えない。何しろ、政治家たる国会議員は、われわれが揺れ動く「民意」に基づき、選挙で当選させた人々なのだ。