世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第206回 「意見を表明しない」という意見 (3/3ページ)
現在の政治家が、皇統や日本の国体についてどれほど理解しているのか、議論するに十分な知識を持ち合わせているのか、一日本国民として不安を感じざるを得ない。
特に、今回の譲位問題を巡っては、「世論」で「生前退位」を実現し、皇室典範も変更。「女系天皇」を実現したいのではないかという「邪な意図」が見え隠れしていた。
皇室典範の第一条には、「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。」とある。すなわち、皇室典範の変更なしでは、一部の反日活動家たち(あるいは「反日国」)が望む「女系天皇」は誕生し得ない。
参考までに、わが国に推古天皇などの「女性天皇」はいたことがある。とはいえ、女系天皇は存在したことがない。日本の皇統は、神武天皇から今上天皇まで、男系の血筋のみで続いてきたからこそ「万世一系」なのだ。
日本に「女系天皇」が誕生すると、天皇の配偶者の「男系」に皇統が移るという話になってしまう。例えば、中国人や韓国人が女系天皇の「配偶者」になったと想像してみてほしい(論理的にはあり得る)。2000年続いた皇統が「断絶」することになるわけだが、そんな決断を現代のわれわれがしていいはずがない。
陛下の「お言葉」があったとしても、民意、世論で皇室典範を変更してはならない。理由はもちろん、「皇室典範は世論次第で変えられる」という前例が作られ、女系天皇誕生に近づいてしまうためだ(だからこそ、安倍政権は「特措法」で乗り切ろうとしているのだろう)。
この種のプロパガンダが展開されているときに、気軽に「意見」を表明することは、かなり危険なことなのではないのか。「意見を表明しない」という意見が、正しい時期もある。これが、筆者の「意見」である。
みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。