フジテレビ「ヤラセ株主総会」裁判に判決 (1/2ページ)

株式会社において、会社の実質的な所有者は株主だ。その株主を対象とした株主総会は、会社の重要事項に対する最高の議決機関である。もしそこで経営者側が仕組んだ“やらせ”が行われていたとしたら…。
フジテレビや産経新聞の親会社であるフジ・メディア・ホールディングス(フジHD)が2014年6月と2015年6月に開催した株主総会に対し、株主2人が決議取り消しを求める訴訟を起こしていた。東京地裁(大竹昭彦裁判長)は2014年分については昨年12月に、2015年分については今年2月にそれぞれ、原告の訴えを棄却する判決を下した。
これらふたつの裁判で原告側が追及していたのは、フジHDの“ヤラセ総会”の実態だ。2014年総会の質疑応答では、質問した16人の株主のうち8人がフジテレビの社員株主だったことが、裁判を通じて明らかになっている。同様に、2015年の総会では、質問者17人のうち5人がフジテレビの幹部社員だった。
株主総会は一般の個人株主にとって、会社の経営状況を質すほとんど唯一の機会だ。会社側の息のかかった人物が多数質問することにより、“本物の”一般個人株主の質問機会は減ってしまう。
ヤラセ質問については、原告側に寄せられた内部告発によって明らかになったものだ。裁判では、原告が指摘した人物が、フジテレビの統括当局長や局次長、部長といった経営中枢幹部であったとフジHDも認めた。
リハーサルや虚偽の回答も明らかに
この行為は大野貢フジHD兼フジテレビ総務部長の指示に沿って行われた。大野貢部長の証言によれば、2014年の総会ではリハーサルが2回行われ、日枝久会長もこれに参加していたという。
2015年の総会では“ウチダ”と名乗る株主が手を挙げ、質疑応答の打ち切り動議を提案した。日枝会長はこの動議を受け入れ、一方的に総会を終了させてしまった。なお、このウチダはフジテレビの元従業員(OB)であることも判明している。