鼠径ヘルニア(脱腸)とはいったいどんな病気?症状から手術内容まで医師が徹底解説! (2/6ページ)
内外鼠径ヘルニアと比べると、下側に発生するヘルニアです。医学的には大腿裂孔という孔が大きく広がることで発生するヘルニアであるため、このように呼ばれています。
鼠径ヘルニアの原因

子ども
生まれてくる少し前に精巣はお腹の中から外の陰嚢におりてきます。その過程で必要な通り道が孔として存在します。
この孔は精巣が陰嚢内におりきると役目を終え閉じることになっていますが、閉じ損なってしまうお子さんが一定数いますので、孔に腸など腹部内臓が入ることでヘルニアになってしまうのです。
また、女の子では精巣をおろす発生過程は存在しえませんが、人としての生物学的構造は男女共通なため、女性にも生じえるのです。
なお、子どものヘルニアはほぼ全例が外鼠径ヘルニアです。
大人
小児の鼠径ヘルニアが気づかれないまま放置され成人となって進行する場合と、鼠径部の筋膜が弱くなってヘルニアが発生する場合があります。
そもそも鼠径部には腹壁を構成する筋肉がなく薄い筋膜しか存在しないしないため、さまざまな原因で弱くなりやすいのです。
私が年間400例ほど検査する中での傾向として、成人においては外鼠径ヘルニアが全体の約70%であるものの、内鼠径ヘルニアも約20%は存在します。
中高年でその頻度が増えてくるため、鼠径部は哺乳動物、人が抱える生物学的弱点であることの証左と考えられます。
鼠径ヘルニアの症状

子ども
鼠径部の腫れが出来、この膨らみは多くの場合柔らかく、押し込んだり仰向けになることで、お腹の中に戻るような感触があります。