日本人の生産性が欧米にかなわない決定的な理由 (3/4ページ)
仕事と家族どっちが大切といったら当然家族でしょう。海外の方がその優先順位がはっきりしていて、家族を第一に考えて一緒に過ごす時間を確保したうえで、残りの時間で仕事に集中して取り組むというスタイルが定着しています。
本来、生産性というのはそういう考え方や生活スタイルで自然に決まるもので、生産性の高い国の労働者にしても「生産性を上げよう」と思って取り組んでいる人はいないはずです。
なにしろ時間が限られていますから、過去の前例になど構っていられませんし、お金にならないものに過剰なサービスはしません。そうなれば生産性は上がりますよね。
――生産性を上げるための企業側の人事的な取り組みについてもお話を伺いたいです。自社の生産性を高めるための人材採用についてご意見をお聞かせ願えますか。山極:採用について一つ言えるのは「優秀な大学を出た人は優秀な人材」というのは、経験上まったく正しくないです。
人の資質というのは、メンタリティが20%、スキルや専門性が10%、残りの70%は経験です。つまり、会社の中で有意義な経験を積ませることができれば、人は必ず育ちます。
「優秀な人材」という言葉も考えた方がよくて、企業が欲しいのは正確にいえば「活躍してくれる人材」であり「稼いでくれる人材」ですよね。それならば、見るべきところは必ずしも学歴ではないはずです。
では、採用の時に何を見るべきかというとメンタリティのところで、ポイントになるのは「自己肯定感」です。これがないと、能力は高くても入社してからきびしい。
根本的なところに「自分はできる人間だ」という前提のある人かどうかというのは、面接で話すことである程度わかる部分だと思いますので、参考にしてみていただきたいです。
――特に中小企業の方が、人材集めに苦労する傾向があるようです。山極:小さな会社でもいい人材を採用できている会社は、その小ささを利用して上手に採用していますよね。
たとえば、社長や役員が直接採用にかかわったり、入社後に任せる仕事を具体的に示したりすることは大企業では不可能です。