知ってた?アイルランドにヘビがいない理由 (1/4ページ)
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3月17日はアイルランドにキリスト教を広めた聖人聖パトリックの命日であり、「セントパトリックス・デー」と呼ばれる祝日がある。アイルランドでは何世紀も前からこの日を祝う伝統が受け継がれ、正式に1903年より祝日となった。
この聖人とヘビにまつわる面白い言い伝えがある。それはアイルランドに来るヘビを聖パトリックが全て海に追いやったというものだ。
実際にアイルランドにはヘビがいない。ヘビ恐怖症の人にとってアイルランドは楽園だ。ではなぜ、アイルランドにはヘビがいないのだろう?
それはどうやら、地球の気候が大きく関係していたようだ。かつて大陸と地続きだったアイルランド島は、絶妙のタイミングでヘビの侵入を逃れたようだ。・アイルランドが島になるタイミングと氷河期の影響が重なった
ヘビの進化的起源には不明な点が多いが、トカゲ亜目の一部から進化したと考えられており、1億4500万年前から1億年前の白亜紀前期に派生したと推測されている。
ヘビの祖先がどのような生活をしていたかについては、水生説と陸生・地生説が対立しており、いまだその決着は着いていない。
アイルランドが大陸と陸続きだった時代、最終氷期が訪れる。一帯は氷河に覆われ、自力で体温を維持できない爬虫類が住むには寒すぎた。
やがて地球の気候は変化し、1万年前になると氷河が解け始めたのだが、アイルランドと周辺の大陸の間には冷たい水がどんどん注ぎ込んでいった。
寒すぎてヘビが住めたもんじゃない。8500年前には大陸につながる道もとうとう沈んでしまい、6000年前、ついにアイルランド島は大陸から完全に分離された。