”The top of Subaru.” 株式会社スバルの魅力をWRXから紐解く (1/4ページ)
2017年4月1日、富士重工業株式会社が社名を変更し、「株式会社SUBARU」として新たなスタートを切ったことは皆さんご存知かと思います。北米でも依然人気の高いスバルブランドですが、近年のスバルのイメージリーダーといえばやはりWRXではないでしょうか。今回はそんなWRXの歴史を紐解き、どんなところに魅力があるのか迫っていきます。スバリストのみならず、多くのクルマ好きを魅了するWRXとはいったいどんなクルマなのでしょうか。
■WRX誕生前夜1989年に登場、ワゴンブームの火付け役となった初代レガシィは、セールス面においても成功し、傾きかけていた富士重工の屋台骨を立て直すことに成功しました。さらに発売前に行った10万km世界速度記録挑戦でも輝かしい記録を収め、レガシィ誕生とともに設立されたSTi(スバルテクニカインターナショナル)は次なるチャレンジに乗り出します。それがWRC(世界ラリー選手権)への参戦でした。意気揚々と乗り込んだWRCの世界ですが、スバルは思うような活躍ができず苦汁をなめることになります。参戦車であるレガシィRSは、ドライバーたちに「ノーパワー、ノーエンジン」と評価される始末。こうしたことから、開発サイドはコンパクトで軽量、パワフルなマシンを渇望していました。
■戦えるマシン、初代インプレッサWRX誕生こうした経緯から1992年に誕生したクルマが、初代インプレッサWRXでした。開発に当たっては、スバルがWRCを戦う上でパートナーとして活動していたイギリスのファクトリーであるプロドライブ社の意見をかなり取り入れられたといわれています。ちなみにWRXという名称は、WRCとレオーネから受け継いだスポーツグレードの称号である「RX」を組み合わせたもの。文字どおり、スバル最高峰のハイパフォーマンスモデルとなったのです。
1993年、ニュージーランドラリーで初優勝を遂げたレガシィとスイッチする形で、インプレッサは1000湖ラリー(現、ラリーフィンランド)からWRCデビュー。いきなり2位を獲得するなど、順調な滑り出しを見せました。