預金口座の相続手続にはホトホト閉口させられたが意外な収穫もあったという話 (1/2ページ)

心に残る家族葬

預金口座の相続手続にはホトホト閉口させられたが意外な収穫もあったという話

母が亡くなった時の、銀行での相続の手続きには閉口した。母は父と離婚をして、一人で出ていってしまったので、私たちとは一応縁は切れている。しかも彼女が亡くなった時に遺されていたものとは、わずかな現金とほとんど残高の残っていない預金通帳が三冊だけだった。俗に言う相続争いなんて、全く次元の違う世界の話しだ。だけど、わずかでも私たちに遺してあげようと思ったのだから、受け取ってあげるのが、娘としての義務であろう。というわけで、生まれて初めて相続の手続きを行ってみた。

■離婚後、全国を転々としていた母

母は私たちと離れてから大阪を出て、各地を転々としたあと最終的に千葉に落ち着いていた。そのため私と妹は、千葉へ行かなければならなかった。職場からは忌引きとして特別休暇をもらっていたので、その間に全てを済ましてしまうつもりだった。

葬儀のあと、それぞれ三つの銀行に順番に向かった。まずは銀行A。
キャッシュカードを使って、ATMでこっそりと出金を試みる。おおよそ思い当たる暗証番号を入力すると、ATMは問題なく素直に動いてくれた。

次は銀行B。キャッシュカードが無かったので、窓口に行った。通帳と記入した出金伝票を窓口に出すと、何事もなくすんなりと処理をしてくれた。無事、出金成功。ややこしくなるとダメなので、解約するのは控えた。

■窓口通過できず…

さて、問題は最後の銀行C。
ここも、キャッシュカードが無かったので、銀行Bと同じ要領で窓口での対応となった。目立たないように待合のソファーで素知らぬ顔をしながらもひそかに観察していると、受付をした窓口の行員が、印鑑と筆跡の照合でふと手を止める。そしてやおら奥に座っている、ビン底メガネの男性を呼び何やら説明をし始めた。まずいな、と思っていたら、そのビン底から呼ばれた。ガックリしながら窓口に行くと、意外にも性別が違うとの指摘だった。

母の名前は漢字にすると、そう言えば男性っぽく見えなくもない名前だったので、勘違いをしたようだ。甚だ失礼な間違いではあるが、しかしどちらにしても本人でないことは筆跡でもあきらかなので、申し開きは立たない。

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