年間8億円荒稼ぎの「ボッタクリ帝王」が明かしたワル手口(1)「善意の第三者を装うんだ」 (2/2ページ)
「逃げた客を抑えるため、歌舞伎町のボッタクリバーには、各店舗ごとに必ずシキテン(見張り人)が置かれ、客が逃げ出さないようにテンを切っている(見張りをしている)んだ」(影野氏)
この時、影野氏はテンギリ(こっそり見張る)車に乗っていた。店から連絡を受けて車から出たところに、スキンヘッドが走ってきた。
影野氏は横をすり抜けようとするスキンヘッドに強烈な足払いを食らわせ、転倒した上に飛び乗ると、持っていた傘を眉間に突きつけてすごんだ。
「おい! 盗人野郎! 何をしたんだ」
そこに3人の従業員が追いついた。
「こら~、飲み逃げ野郎」
「人に蹴り入れやがって。治療費払ってもらうぞ」
「ケガさせたうえに店まで壊しやがって。治療費、修理代、弁償しろよ」
集まってきたやじ馬に助けを求めるスキンヘッドの声を打ち消すように、従業員たちは罵声を浴びせる。同時に3人は、影野氏に礼を言うのだ。
「茶番と思われるだろうけど、俺は通りがかりの善意の第三者を装う。相手を大声で非難するのはこちらの正当性を周囲にアピールし、警察への通報をさせないため。どこで誰が見てるかわからないからな」(影野氏)
笹川伸雄(ジャーナリスト)