本当に「優秀な企業」に共通する6つの条件とは (4/4ページ)

新刊JP

シェーバーで有名なドイツのブラウン社が、「コアレスモーター」というマブチモーターが手がけていない製品の開発を依頼されたときも、その申し出を断り、自社がつくるモーターをブラウン社が納得する形に改良して提供した。
それ以降、ブラウン社のモーター調達先はマブチモーター一本やりとなったという。

■主流から外れた人材のほうが、客観性を持った経営者になる

「6つの条件」のうち、意外に難しいのが、三つ目の「客観的に眺め不合理な点を見つけられること(経営者がしがらみにとらわれず事業を俯瞰できる)」という条件だ。

著者は、調査・研究を進める中で「良好な成果を上げている企業、特に企業改革に成功した企業の経営者をみていると、経営者は〝傍流の時代〟とも呼ぶべき現象が観察された」と述べている。

つまり、会社の主流を歩み順調に出世してきた人より、多少、主流から外れた、周辺部署や子会社で苦労した人物の方が本社の中枢に入り、改革を成功させている場合が多いという。

右肩上がりの時代には、上手に神輿に乗ってくれる経営者でもそれなりに成果は出せただろう。だが、神輿に乗っていれば良いという経営は、すべてのマーケットが拡大していく高度成長期ならではのものであり、今の時代には全く通用しない。

それでも、長らく成果を上げてきた経営者は、過去の繁栄を成功体験として持ち続け、その方法に疑問を持たない場合も多い。
そうならないためには、フラットな視点で合理的な判断ができることが必要なのだ。

このことは、どんな会社の経営者でも気をつけていれば満たすことのできる条件だ。
そのためには何が必要なのかは、ぜひ本書を読んで確かめていただきたい。

本書は、『あの会社はこうして潰れた』(藤森徹著、日本経済新聞出版社刊)と併せて読んでみると面白い。

「優秀なまま持続する企業」と「潰れてしまう企業」の在り様はコインの表と裏のようなものだ。切り口こそ真逆だが、両書からは企業が栄えるための共通条件が見いだせるだろう。

(ライター:大村 佑介)

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