【世界の博物館】世界中から恋の遺品が集まるクロアチア・ザグレブの「失恋博物館」 (1/4ページ)
クロアチアの首都・ザグレブに、世界中の人が訪れるちょっと変わった博物館があります。それが「失恋博物館」。
政府機関や博物館などが集まるザグレブの山の手、小高い丘の上に広がるゴルニィ・グラード地区に位置する、こぢんまりとした博物館です。
展示品は世界各地から寄付という形で集められ、それぞれの品には寄贈者のコメントが添えられています。
終わってしまった恋の「遺品」を寄贈することで、失恋の傷を癒してもらおうという思いから、世界を巡回する展覧会として始まり、2010年に常設の博物館として開館しました。
通常、博物館というと、人類の歴史にかかわる重要な品々や、有名人の記念品などが展示されているものですが、ここに展示されているのは、古い絵本やぬいぐるみ、ドレス、Tシャツ、カードゲーム、斧など、がらくたにも見えるようなものばかり。
人類の歴史には残らない、名もなき個人の恋愛にまつわる思い出の品々を紹介しているのです。
自分の恋の「遺品」を寄贈する動機は、単なる好奇心から、気持ちに区切りをつけるための儀式のような意味合いまで、人によってさまざま。
博物館自体がクロアチアにあるだけあって、やはりヨーロッパからの寄贈品が多数を占めますが、アメリカや台湾、フィリピン、ブラジルなど、その寄贈元は世界各地におよびます。
そんなユニークなコンセプトと展示によって、この博物館は「ヨーロピアン・ミュージアム・オブ・ザ・イヤー2011」で特別賞を受賞しました。