ザコにも魅力がある?『北斗の拳 -世紀末ザコ伝説-』舞台上演・記念インタビュー (2/5ページ)
──では次にザコの定義を行いたいのですが、公式的にはどこまでがザコなのでしょうか? 今回のザコ舞台に登場しているということは、ジャギ様はザコという認識でしょうか?
©武論尊・原哲夫/NSP 1983
注釈:北斗四兄弟の三男。実力も人品も兄弟の中で最も劣悪だが、そうは言っても結構強い。
ザコP「いえ、ジャギはザコじゃないですね。本当はジャギも出したくなかったんですが……。名前があって、物語を作っているようなキャラはザコではないと考えます。今回の舞台で扱われるのは名も無きザコたちです」
──では、アミバ様もザコではない、と。
©武論尊・原哲夫/NSP 1983
注釈:自らを天才と自負する男。人品は劣悪だが、研究熱心な上に拳法の才能も実際ある。
ザコP「そうですね。アミバもジャギもすごい才能の持ち主ですしね」
──ジード様やスペード様は?
注釈:第一話でケンシロウに殺害された悪党。北斗世界におけるザコのイメージは概ねこのキャラが作った。
©武論尊・原哲夫/NSP 1983
注釈:シンの部下。種籾を奪ったことで有名。
ザコP「あいつらはザコですね」
──ということは、もちろんクラブ様やダイヤ様も?
©武論尊・原哲夫/NSP 1983
注釈:シンの部下。スペード様、ハート様の影に隠れて存在感が薄いが、彼ら二人を主人公とした短編が実は存在する。
ザコP「当然ザコですね。主人公に殺されて読者が心地よくなる奴らはザコです」
──なるほど、そのキャラクターに物語性が含まれているかどうかが一つのラインなんですね。ジード様やダイヤ様は、名前はあるものの、そのキャラクターのバックグラウンドが原作からは見えてこない。個別の物語がない。ゆえに「やられ役」という役柄だけが与えられ、「やられてスッキリする」「ザコである」ということですね。
ザコP「そうです。ですが今回の舞台は、そんなザコたちの『物語』です。彼らはザコだけど、彼らも生きてるんです。生活があるんです」