世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第241回 国難をもたらしたのは、誰なのか? (2/3ページ)
農協改革、種子法廃止、発送電分離、混合診療(患者申出療養)推進、派遣労働拡大、そして、外国人労働者受入拡大などの構造改革により、破壊されていく安全保障。崩れていく国民の「普通」の生活。
挙句の果てに、北朝鮮核ミサイル危機、中国の尖閣諸島への侵略、南シナ海の内海化という防衛安全保障の危機。
内憂外患。
外患については、仕方がない面がある。本来、日本が21世紀初頭に憲法を改正し、防衛力を強化し、東アジアの軍事バランスを積極的に維持するべく動いていれば、現在の危機はなかっただろうが、これは安倍総理の責任とは言えない。
とはいえ、内憂部分については、すべて安倍総理の責任だ。
安倍政権は、なぜ'13年6月にPB(基礎的財政収支)黒字化目標を閣議決定したのか。なぜ、'13年10月1日に消費税増税を決断してしまったのか。なぜ、政権発足時点から竹中平蔵氏ら、構造改革主義者たちを重用したのか。
農協改革も、混合診療も、派遣労働拡大も、発送電分離も、種子法廃止も、本来はやる必要がない「改革」なのだ。ところが、安倍政権は特定の企業や投資家におもねり、日本国民の「経世済民」に逆行する「改革」を推進した。不要なはずの改革を強行し、国民の安全保障や生活を壊すと同時に、各安全保障分野で懸命に働いている「同じ国民」を敵に回し、ナショナリズムをも壊してしまった。
挙句の果てに、国家戦略特区でパソナの竹中会長をはじめとする一部の投資家、企業家に利する政策を推進し、政治不信を深めた。
少子高齢化で人手不足になったのは、これは安倍総理の責任ではない。とはいえ、人手不足の深刻化を受け、なぜ「生産性向上のための投資」という資本主義国として正しい道を採らず、外国人労働者受入拡大という安易で間違った選択をしてしまったのか(もちろん、実質賃金を上げたくない勢力の政治力が強いためなのだが)。
歴史に「もし」は許されない。とはいえ、筆者は歴史家ではないので、あえて「もし」を書いておこう。
'13年以降、安倍政権が「もし」余計な構造改革を行わず、消費税増税や各種の支出削減という緊縮財政に背を向けていれば、今頃、我が国は実質GDPで最低3%の成長が実現し、余裕でデフレ脱却していたであろう。