熱き侍たちが躍動!! メジャーリーグ Times 日本人大リーガー 今季のMVPはダルビッシュ有 (1/2ページ)
今週は2017年度の日本人大リーガーの総括を行い、その上で、最優秀選手(MVP)と最も期待を裏切った選手(LVP)を選出したい。
表(※本誌参照)を見ていただければ分かる通り、今年度の日本人大リーガーで年俸以上の働きをしたのはダルビッシュ有だけである。これまで日本人選手の働きが最も悪かったのは故障者が続出した'15年シーズンだが、この年はダルビッシュがトミージョン手術でフルシーズンDL入りしたことが響き、日本人選手全体の年俸総額が6075万ドル(66.8億円)であるのに対し、実働評価額(実際の働きを金額換算した数字)はその半分の3160万ドル(34.8億円)にとどまった。
今年はこれよりさらにひどく、日本人選手全体の年俸総額7415万ドル(81.6億円)に対し、実働評価額は2760万ドル(30.4億円)しかなく、年俸総額の36.5%の働きしかできなかった。
このような惨状を呈した主な原因は、
(1)田中将大が深刻な一発病に陥った。
(2)毎年安定した成績を出していた岩隈久志が肩の故障で5月上旬から長期欠場。
(3)イチローと上原浩治の年齢的な衰えが顕著になった。
などが挙げられる。
■MVP=ダルビッシュ有(レンジャーズ→ドジャース)
例年通りなら候補者を3人ほど挙げて、比較検討してから受賞者を決めるところだが、今季は評価基準である「年俸以上の働き」をした日本人選手はダルビッシュしかいない。超高額年俸の選手はかなりいい成績を出しても年俸を上回ることが困難なので、これまでは実働評価額が多少年俸を下回る選手でも、印象に残る活躍をした選手を候補に挙げることもあったが、今季はそれすらもいない。
ダルビッシュ以外で一番まともな働きをした前田健太でさえ、実働評価額は年俸(出来高部分を含む)の55%程度だ。これでは候補に挙げるわけにはいかない。
ダルビッシュは勝ち星が10しか付かなかったが、これは今季7月末まで在籍したレンジャーズで極端に勝ち運に恵まれなかったからだ。レ軍ではQS(クオリティー・スタート=6回以上を自責点3以内)が14回あったので、平均レベルの得点援護があれば7月末までに10勝くらいしていたはずだ。