世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第250回 二つの壁 (2/3ページ)
もっとも、現実問題として超高度にまで上昇するロフテッド軌道で日本に「着弾」する形でミサイルを撃たれると、現在の技術では迎撃は困難だ。
11月27日、欧州のシンクタンクであるECFR(欧州外交評議会)が、北朝鮮の「核攻撃」の標的リストを公表した。ECFRは、
「北朝鮮の情報源から、核攻撃の標的となる可能性のある場所のリストを作成することができる」
と報告し、具体的には東京、横浜、名古屋、大阪、京都、ソウル、グアム、マンハッタン、ワシントンD.Cなどの都市を挙げている。ECFRの報告書には、
「平壌は、アジア太平洋の米軍の拠点と米本土の都市を襲う準備ができていると、脅迫を繰り返している」
「日本の都市はより明確に標的とされており、それには東京、大阪、横浜、名古屋、京都が含まれている」
と、明記されているのだ。
日本の都市が標的にされている。
ロフテッド軌道でミサイルを撃たれると、現在の技術では極めて困難。これが、日本が置かれている現実なのである。まずは、この現実を認めた上で、われわれ日本国民に、あるいは日本国に何ができるのか冷静に見極め、政治が動く必要がある。
日本の安全保障強化を妨害する二つの壁のうち、憲法九条第二項の改正はあまりにもリスクが高く(下手をすると否決されかねない)、さらに時間的にも間に合わない。北朝鮮の核・ミサイル危機は、今、目の前で起きているのだ。
日本国民の生命や財産を守るためには、憲法の範囲内で(あるいは解釈変更をした上で)可能な限りの手を打つ必要がある。当たり前の話だが、政府が国防力の強化などに乗り出すと、追加的な予算措置が必要となる。つまりは「財政」が動かなければならないのだ。そして、現在の日本において、財政を拡大しようとすると、PB黒字化目標という壁が立ちふさがる。
というわけで、深刻化する北朝鮮危機に備えるためにも、二つ目の壁である「PB黒字化目標」だけでも、何とか破棄しなければならなのだ。PB目標を破棄した上で、敵基地反撃能力の議論を進め、早急に予算措置を取る。非核三原則を見直し、核武装の議論を始める。各家庭や公共施設に対し、核シェルター整備を推進する特別法を成立させ、予算措置を取る。