世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第250回 二つの壁 (3/3ページ)
そして、恐らく最も重要なのは、
「現行法(安全保障関連法)や韓国政府との関係上、朝鮮半島が戦場になったとしても、自衛隊が邦人救出に向かえない可能性がある」
という厳しい現実を、政府が明確に国民に知らせることだ。
日本政府は朝鮮半島有事に備え、韓国内にいる邦人の退避計画を策定する方針だが、安全保障関連法において、自衛隊が在外邦人の救助を行う際には、
(1)相手国の治安が維持され、戦闘行為が行われることがないと認められる。
(2)相手国から受け入れ同意がある。
(3)相手国と連携・協力が見込まれる。
と、三つの条件が満たされなければならない。ソウルが砲撃されている最中に、自衛隊は日本人救出に向かえるのか。さらに有事の自衛隊による邦人保護活動について、韓国側の同意が必要になってしまうのである。
アメリカのティラーソン国務長官は、北朝鮮のミサイル発射を受け、カナダと連携し「国連軍派遣国」の会合を開催することを表明。日本や韓国も加え、北朝鮮の脅威に国際社会がいかに対抗できるか協議するとのことである。次なる制裁措置は、北朝鮮にとって「最後の一撃」になる可能性が高い。残念ながら、世界は「戦争」へと向かっている。
安倍総理が「国民の命と平和な暮らしを守り抜く」と宣言するならば、「具体的な措置」に踏み込まなければならない。特に、PB目標というナンセンスな「カネの目標」に固執し、日本国民の生命や財産が害された場合、安倍総理は「亡国の首相」として歴史に名を残すことになる。まずは第一歩として、PB黒字化目標の閣議決定を決断するべきだ。
みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。