【世界遺産】「眠りこけている」といわれるモロッコの古都・メクネスのメディナを歩く (1/4ページ)
モロッコのメディナ(旧市街)といえば、マラケシュやフェズのように喧騒に満ちたカオスな町が思い浮かぶかもしれません。
しかし、モロッコにはゆったりとした落ち着いた空気が流れるメディナも存在します。それが、「古都メクネス」として世界遺産にも登録されているメクネスのメディナです。
メクネスの最盛期は17世紀、アラウィー朝のスルタン、ムーレイ・イスマイルの時代。彼は壮大な王都の建設の建設を夢見て、すでにあった古い建物を次々と壊しては城壁や門、モスクなどの新しい建物を建設しました。その背景には、同じ時代にヨーロッパで「太陽王」としてその名をとどろかせていたルイ14世が造ったヴェルサイユ宮殿への対抗心があったといわれています。

ところが、首都としてのメクネスは約半世紀続いただけで、その後首都がフェズやマラケシュに移ると、メクネスはしだいに衰退していきます。
今では「現在のメクネスは眠りこけているように見える」ともいわれるほど。しかし、メクネス独特ののんびりとした空気は、旅人を魅了する不思議な力をもっています。
メクネスのシンボル的存在が、かつての王都へのメインゲート、マンスール門。ムーレイ・イスマイルの命によって建てられた最後の建築物で、彼の死後、息子のシディ・ムハンマド・イブン・アブダラーの時代、1732年に完成しました。

「アフリカで最も美しい門」といわれるだけに、網の目のような彫刻と緑のモザイクで彩られた門は目を見張るほどの壮麗さ。この門をひと目見ただけで、かつてのメクネスの繁栄ぶりがうかがえます。