モロッコに残る世界遺産のポルトガル都市、アル・ジャディーダのメディナを散策 (1/3ページ)
北アフリカの国・モロッコは国民のほとんどがイスラム教を信仰する国。街のあちこちにモスクが建ち、一日5回の礼拝の時間になるとモスクからアザーン(礼拝の呼びかけ)が流れます。
しかしそのモロッコに、世界遺産のポルトガル都市があることはあまり知られていません。
それが、カサブランカの西およそ90キロに位置する沿岸のリゾート地、アル・ジャディーダのメディナ(旧市街)。その独特の町並みは、オーソン・ウェルズ監督の映画「オセロ」のロケ地にも選ばれました。
16世紀、ポルトガル人がインド航路開拓のためにここに進出し、アル・ジャジーダは1502年から1769年までポルトガルの支配下に置かれていました。
当時「マザガン」と呼ばれたポルトガル人が築いたメディナは、モロッコに最後まで残ったポルトガル要塞。2004年には「アル・ジャディーダのポルトガル都市」として世界遺産に登録されました。
メディナを守る堅牢な城門をくぐると、一瞬にして数百年前からほとんど変わっていないであろう風景のなかに取り込まれます。
城門から続く町のメインストリートには、カフェや土産物屋が並び、色彩豊か。
アル・ジャディーダの代名詞となっているのが、メディナの中央付近にあるポルトガルの貯水槽です。ポルトガル人がこの地に都市を建設した際に造られた地下貯水槽で、最初は倉庫として使われていましたが、1542年に貯水槽に改造されました。