すべてが新しかったエンタツ・アチャコ。ドラマ「わろてんか」で注目、漫才の歴史 [近代編] (4/5ページ)

Japaaan

こうして漫才は、日本人なら誰もが知る演芸の王様となったのです。

あえて言いたい、しゃべくりだけが漫才じゃない

万歳から漫才への移り変わりを見てきました。ここでもう一つ、忘れていけない漫才の話をしておきます。それは「音曲漫才」。三味線などの楽器と唄と、軽やかな話芸を組み合わせた、捨丸・春代の流れを受け継ぐ芸です。ある意味では万歳の本流と言えます。

かしまし娘、内海桂子・好江、玉川カルテット……などの名を上げれば、昭和生まれの人はピンとくるでしょう。これら音曲漫才は昭和30年代からテレビで大人気になりました。今も現役で活躍されている芸人がいます。

どぶろっくやテツandトモなど「音ネタ芸人」は音曲万歳の子孫ともいえます。今後さらに音曲漫才の分野から新しいスターが生まれたら楽しそうなので、期待したいところです。

もっとも身近な伝統芸

常に進化する漫才と、古来の姿を残す万歳。どちらも「2人組で笑いを届ける」という基本は変わっていません。“まんざい”をひとつの芸と考えれば、落語や歌舞伎より長い歴史のある芸能ということになります。ところが漫才を伝統芸能ととらえる人は少ないでしょう。もっとも身近な芸能のひとつです。

それでいて、ハレの日の「祝福の芸」から日常を切り取る「気楽な芸」となった現代も、正月番組には欠かせないのが漫才です。笑いで福を呼ぶ“まんざい”の魂は生き続けています。

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