あの『怖い絵』もここにあり。英国の至宝、ナショナル・ギャラリーで見たい名画11選 (3/10ページ)

GOTRIP!

目隠の下からのぞく美しい顔立ち、豊かな髪は首が見えやすいよう片側に寄せられ、透き通るような白い腕で不安げに断頭台をさぐるジェーン、その腕にそっと手を添え断頭台へ導く司祭、冷静にその時を待つ処刑人、取り乱し泣き崩れる侍女、それら全ての感情がこの画面から迫りくるように感じられます。やがて断頭台に頭を置いたジェーンの首めがけて鋭い斧が勢いよく振り下ろされ、床に敷かれた藁が血に染まる…そんな一寸先の更なる恐怖の場面も脳裏に浮かんでくるような、まさに『恐怖』の絵です。

2. 岩窟の聖母(The Virgin of the Rocks)

イタリアのルネサンス期を代表する天才芸術家、レオナルド・ダ・ヴィンチが、ミラノのサン・フランチェスコ・グランデ聖堂の祭壇画として描いた「岩窟の聖母」が2点存在するのは有名な話です。
2003年に発行された世界的大ヒット推理小説「ダ・ヴィンチ・コード」にも登場する2枚の岩窟の聖母は、のちに小説がトム・ハンクス主演で映画化されたことも手伝って、日本でも一躍その名が知られるようになりました。
初めに描かれたパリのルーヴル美術館が所蔵する「ルーヴル版 岩窟の聖母」において、報酬を巡り依頼主との間にトラブルがあったため、ダ・ヴィンチはこの1作目を個人に売却してしまいました。「ナショナル・ギャラリー版 岩窟の聖母」は、売却した「ルーヴル版 岩窟の聖母」の代替品として改めて描かれ、サン・フランチェスコ・グランデ聖堂に納品されたものとされています。
この2点の違いやその裏に隠されたミステリーとは?製作から500年を経た今もなお、人々は謎解きに想いを馳せています。

「岩窟の聖母」が展示されているダ・ヴィンチ専用ルームには、ダ・ヴィンチによる「聖アンナと聖母子と幼児聖ヨハネ(The Burlington House Cartoon)」も展示されています。

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