高須院長『炎上上等』よんでみた:ロマン優光連載104 (1/5ページ)
ロマン優光のさよなら、くまさん
連載第104回 高須院長『炎上上等』よんでみた 独特の個性でテレビ的にも世に広く知られる高須クリニック院長・高須克弥さん。近年ではなんというか変な自称・保守論者としても知られ、Twitter上でも様々な騒動を巻き起こしています。そんな高須さんが最近扶桑社から出された新書が『炎上上等』。
内容的には高須さんが現代社会に思うことを縦横無尽に語り、その中に交友録や自伝的要素が含まれるといったもの。というか、内容の濃度としては薄めであり、ようするに高須さんのファンに向けたタレント本ですね。
本書でTwitterは釣りの場であり、わざと過激な発言をして集まってきた有象無象をいたぶっていると独自のTwitter哲学を語る高須さん。いや、それは人としてどうなんでしょうか……。それはともかく、新書はTwitterと違って釣りの場ではないということなのか、全体的にTwitterよりも抑えられた感じで政治的な話題も語られています。抑えられているとはいっても、百田さんやケント・ギルバートさんに比べれば攻撃性や謎の飛躍やこじつけが少ないというだけで、政治的な見解としてはネットでよく見かける「いつものウヨなあれ」な感じで、特にその点に逐一触れてみても同じ話を繰り返すだけになるので、詳しく触れるようなことはしません。
たびたび、高須さんの口から語られてきた自身のいじめ体験。「父のアドバイスで、いじめっこ集団にバットで殴り込み」という定番エピソードに、高須さんのお父さんが有名ないじめっこ五兄弟の末弟で凶暴な人物であったこと、殴り込んだものも返り討ちにあいボコボコにという、私的には初めて知る情報があったのは嬉しかったですね。ここら辺の高須さんの話は拙著『SNSは権力に忠実なバカだらけ』で触れてますので、興味のある方は読んでいただけるとありがたいです。担任の左翼教師のいじめと、農地解放で土地を奪われたことに対して左翼を憎んでいた高須さんの祖母の教育によって、左翼に対する憎しみが育てられていった流れは『炎上上等』でもうかがい知ることができます。また、金持ち特有の無意識な階級差別的な意識を祖母から無自覚に引き継いでしまってることも。