高齢者ドライバーの「責任能力」が悲惨を加速 (2/2ページ)
普通であれば、不法行為に基づく損害賠償請求をすることができる。仮に、加害者の責任能力が否定された場合でも、責任無能力者を監督する者、すなわち、加害者に後見人等がついている場合には後見人等、ついていない場合には家族などに対して損害賠償請求をすることができる。
高齢者ドライバーが起こした事故の実例
「高齢者ドライバーが起こす人身事故の問題の本質について、事故の被害者にとっては、ドライバーが何歳であれ不幸な出来事であることに変わりありません。もちろん、保険で補償も受けられるでしょう。しかし、被害者が子供で、重大な後遺症が残った場合、その子供は一生その不自由さを背負って生きていかなければなりません。加害者は道義的責任として、一生をかけて償うべきでしょう。しかし、ドライバーが85歳だったりしたら、年齢的に何カ月後かに亡くなっても不思議ではありません。誰がその子供に対して責任を負うのでしょうか」(全国紙社会部記者)
現実に、このような悲惨なケースは起きている。今年1月9日朝、自転車で登校中の女子高校生2名が乗用車にはねられ重体となった。ドライバーは85歳の無職男性で、自動車運転処罰法違反(過失致傷)容疑で逮捕された。その後、被害者のうち1名は亡くなっている。
加害者と被害者がその後どうなったのか不明だが、道義的責任は加害者の家族に重くのしかかるであろうということは容易に想像できる。
2016年末の運転免許保有者数は約8221万人で、このうち75歳以上の免許保有者数は約513万人(75歳以上の人口の約3人に1人)だ。2015年末に比べ約35万人(7.3%)増加し、高齢者ドライバー比率は今後も高くなると考えられる。
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