【医師が解説】 人気声優もかかった「急性散在性脳脊髄炎」ってどんな病気? (2/4ページ)
しかし、ウイルスに感染した後やワクチンを接種した後に、脳の白質にある髄鞘に対しての自己免疫反応(自己の組織を異物として攻撃してしまう反応)が起こることが主な原因ではないかと考えられています。
このため、ウイルスが原因となるインフルエンザウイルス・麻疹ウイルス・おたふくかぜなどの感染後には注意が必要とされています。
一方、ワクチン接種による急性散在性脳脊髄炎のリスクは200~300万回に1回程度と頻度はまれです。ワクチンが原因とされているものとしては、B型肝炎ワクチン・日本脳炎ワクチンとの関連が示唆されています。
診断
急性散在性脳脊髄炎の診断は、前述の症状・経過による判断に合わせて、頭部のCT/MRIと髄液検査の結果をもとに判断します。
頭部CTでは脳実質よりも黒く写る部分が見えたり、MRIではT2という撮影方法を使うと、この病気となっている部分が広い高信号領域として白く写って見えます。
髄液検査では、この病気になっていると髄液中の白血球数の増加、特にリンパ球の増加が見られ、ミエリン塩基性タンパクとよばれる物質の増加や、オリゴクローナルIgGと呼称されるパターンが特徴的です。
また、感染症の可能性があるので原因の微生物を推定するために、髄液での遺伝子検査(PCR法)も行われることがあります。
治療法
治療は、自己免疫反応を安定させるためにステロイド大量投与や免疫グロブリン大量投与、免疫抑制剤投与などが検討されます。
さらに、呼吸状態が悪化した場合には人工呼吸管理を行い、痙攣(けいれん)があれば抗てんかん薬の投与などが症状に応じて実施されます。