「被災地を観光する」岩手県陸前高田市【前編】:傷跡から記念公園へ 原風景を失った街が目指す姿 (6/7ページ)

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2017年4月にオープンした陸前高田の中核となる大型商業施設「アバッセたかた」。 2017年4月にオープンした陸前高田の中核となる大型商業施設「アバッセたかた」。 僕たちは原風景を二度失った

午後、街の東側の地区につくられたあるコミュニティスペースを訪ねた。週末である今日は、盛岡からやってきたミュージシャンがジャズの生演奏を聞かせるのだという。舞台のある明るくウッディなスペースで、お客さんは地域の方々が10人ほど。みんなでお茶を飲みながら静かに音楽を聞いている。

演奏後の談笑で、何人かの地域の人と話をした。こんな年配の方の言葉が印象に残った。

「俺たちは二度原風景を失った」。

街に音楽がある。コミュニティスペースに活気が生まれている。 街に音楽がある。コミュニティスペースに活気が生まれている。

昭和の高度経済成長は街を発展させ、こどもの頃に親しんだ地域の原風景を次第に変化させていった。それは悲しくもあり、またどこか誇らしいことでもあった。そして、その発展の積み重ねられた昭和の故郷の原風景が、津波によって全部流された。彼らが見ていた思い出の風景は完全に消え去ったのだ。

震災から7年。あきらかに外野には伝わっていないことがある。そして、わかりやすく古い、みんなが「懐かしい」と消費し尽くそうとするものは、もはやこの街にはない。とにもかくにも、陸前高田は生まれかわろうとしている。長い間、ためらっていた被災地だが、来てよかった、わたしはそう思った。

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