日朝首脳会談 北朝鮮が突きつける「非核化」「戦後賠償」費用100兆円超 (3/3ページ)

週刊実話

しかし同宣言はアメリカの横ヤリで、戦後賠償が実を結ばなかったため、北はその後『拉致は解決済み』と主張し、日本との交渉に応じなくなってしまいました。以後、同宣言はホコリをかぶったままですが、今回は米国の口添えがあったとはいえ、北サイドには今や拉致問題を解決して日本からの援助を引き出そうとする切迫感がありません。中ロが制裁解除に動くのはほぼ確実だからです」(前出・北朝鮮ウオッチャー)

 太永浩氏は、北朝鮮に拉致され行方不明になっている拉致被害者についてキーマンの存在を挙げている。それは著書のタイトルにもある3階書記室の室長・金昌善氏だ。彼は現在、国内的には国務委員会部長、対外的には正恩委員長の首席補佐官として突如、表舞台にデビューし、米朝会談、二度の中朝、南北会談を差配した事実上のナンバー2といわれる人物だ。
 「拉致が頻繁に起こっていた時代、金昌善氏は人民武力部(現:省)傘下の『対外事業部』の上級指揮官でした。拉致被害者のすべてを知っている人物といわれています」(在日韓国人ジャーナリスト)

 北朝鮮側は'02年と違い、韓中、そしてロシアまで自陣サイドに引き寄せている。残念ながら日本からの経済支援のために再び拉致問題で譲歩するとは考えにくい。
 「北朝鮮に対する過去の清算は、韓国・朴正煕政権のときに解決済み。当時の5億ドルには北朝鮮復興も含まれており、さらに『平壌宣言』で、お互いに請求権を放棄することが合意されています。日本の外交当局は正恩-昌善ラインにこう切り出すべきです。世界にデビューするためには人権問題、わけても日本の拉致被害者を帰すべきだと」(前出・政治ジャーナリスト)

 '98年から'02年にかけて朝銀信用組合系の16の北朝鮮系信組が経営破綻し、日本は公的資金1兆3600億円を血税から負担している。'17年8月2日、東京地裁は朝鮮総連に対し910億円の支払いを命じる判決を下し、結果的に東京の一等地に建つ朝鮮総連ビルは競売に掛けられたが、その額は損害遅延金にも及ばず、おまけに朝鮮総連はここに居座り続けている。
 「だから米国籍の3人の人質と同じく、無償で拉致被害者を全員返還しろ! と正恩委員長に突き付けるべきなのです」(同)

 翻ってトランプ大統領は、国際条約や合意書にあまり重きを置かない稀有な政治家だ。イランとの核合意破棄を見るまでもなく、トランプ大統領の外交ルールを無視したやり方は北との交渉では大きな武器となる。
 正恩委員長はトランプ大統領の“次の一手”が読めない限り、非核化を中断すればトマホークが飛んでくる恐怖から逃れることはできない。日本はその脅しに“乗っけてもらう”しかないのだ。

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