“攻める”西野朗監督、“半端ない”大迫勇也…サッカーワールドカップ「奇跡の勝利」全舞台裏 (2/5ページ)
戦前、日本を覆っていたのは“負けて当然”という厳しい空気。本番2か月前という異例の時期に監督交代劇に踏み切ったのも、強い危機感からだった。
とはいえ、それすらすぐに「失策」の烙印を押されてしまう。西野ジャパンの初陣である5月31日のガーナ戦で、まさかの完封負け。ジーコ監督以来5年ぶりの3バック導入も、W杯に出場できないガーナを相手に機能せず。その後、6月8日のスイス戦で元の4バックに戻すも完封負け。12日のパラグアイ戦で、W杯不出場国の若手主体チームに勝つのがやっとだった。
しかし、前出の岩本氏は、この時点で勝利への道筋はできていたと話す。「周囲からは方針が二転三転したように見えたかもしれないけど、あれは西野さんが一つ一つ確認していった、勝利への“作業”なんだよね。3バックは、ここに問題がある、4バックだと、これが問題だってね。練習試合で勝利だけを求めることもできたけど、結局は本番で勝たなければ意味がない。“試行”に、あの3試合を使ったということ」
さらに、「結果論の部分もあるけど」と前置きしたうえで、こうも話す。「あの3試合で日本代表の“姿”が見えなかったことは、プラスに動いたんじゃないかな。ベールに包まれて、どんなチームか分からないというのは、相手チームとしてはイヤだと思うよ」
■コロンビア戦の結果は奇跡でも内容は順当
初戦に照準を――これを裏づけるように、右サイドバックで先発した酒井宏樹は試合後、「監督と話していて、コロンビア戦に100%になるようにできた」と明かしている。実は、この発言、もう一つの“勝利の要因”を示唆している。それは、コミュニケーションの問題だ。日本サッカー協会が、前任者であるハリル監督の解任理由として真っ先に挙げたのが、選手とのコミュニケーション不足だった。