遺伝子発現をチューニングし、必要に応じて体の防衛機能を高めようとする研究(DARPA:米国防高等研究計画局) (1/3ページ)
ワクチンから薬物中毒の抗体まで、現代の医学薬学は健康被害から私たちを守るさまざまなツールを提供してきた。
だが一時的にはどうだろうか? 遺伝子コードを変えることなく、必要に応じて体の防衛力を高めるなどということが可能だろうか?
遠い未来のことの話にも聞こえるが、アメリカ国防高等研究計画局(DARPA)の新しいプログラムはまさにそれを目指すものだ。
同プログラムは、一時的に遺伝子発現を”チューニング”することで、生物学的・化学的脅威から人々を守る方法を探求する。
つまり、遺伝子のオンとオフをチューニングすることで、健康の害に対する体の防衛力を強化しようというのだ。
・体の防衛機能を調整するPREPAREプログラム
人体はすでに健康の害に対する一定レベルの防衛力を備えており、それはDNAに書き込まれている。しかし、こうした防衛力は絶対に十分というわけでもない。
例えば、免疫系がウイルスと戦おうとしているというのに、インフルエンザで体調を崩すことはあるだろう。
「人体はおどろくほど回復力に富んでいます。細胞の一つ一つが、健康への脅威に対して一定レベルの回復力を発揮するようコードした遺伝子を持っているのです。ですが、そうした内蔵型防衛機構はいつでも十分に素早くかつ強力に発現するわけではありません」とDARPAの「PREPARE(PReemptive Expression of Protective Alleles and Response Elements)」プログラムのレネ・ヴェグジン氏は述べている。