秋津壽男“どっち?”の健康学「生活習慣病の症状緩和のためにできること。効率的に野菜の栄養素を摂取して生活改善」 (1/2ページ)

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秋津壽男“どっち?”の健康学「生活習慣病の症状緩和のためにできること。効率的に野菜の栄養素を摂取して生活改善」

 40代を越えて気をつけたいのが生活習慣です。特に生活習慣病である糖尿病と高血圧は要注意です。肥満体質の人は食生活に気を遣うなど、体重を減らすべきです。例えば1日1食は炭水化物を摂らない、空腹時に軽いジョギングをする、よくかんで食事に時間をかける、禁煙&節酒を心がけるなど、生活習慣病はちょっと心がけるだけで症状が改善されます。

 食生活でいえば、米などの炭水化物を減らす代わりに積極的に食べてほしいのが野菜です。食事の際、最初に野菜を食べることで急激な血糖値の上昇を防ぎ、肥満予防(=ベジファースト)にもなります。

 中でも糖尿病に有効な抗酸化物質であるβ‐カロテンを多く含む野菜は効果的です。にんじんやかぼちゃはβ‐カロテンと同時に糖質も高いので食べすぎないよう注意すべきですが、赤ピーマンやホウレンソウ、ブロッコリーなどは、ベジファーストとしてオススメしたい野菜です。

 では、ここで質問です。生野菜と温野菜では、どちらがより効果的に栄養素を摂取できるでしょうか。

 野菜の大きな栄養素であるビタミンは水に溶けやすいビタミンB群やビタミンCと、脂に溶けやすいビタミンA、D、E、Kに分かれます。例えば、ビタミンCを含む生のホウレンソウを1分ゆでると25%、2分だと40%、3分だと50%のビタミンCが失われます。こうした野菜は生のほうが栄養素が多く含まれますが、ビタミンA、D、E、Kを含む野菜であれば温野菜程度の加熱はビタミンもさほど劣化しません。さらに言えば、野菜の繊維質も加熱とは無関係なので安心してください。

 熱に強い栄養素の代表はリコピンです。中でもトマトはリコピンを多く含む代表的な野菜であり、血糖値を上げにくくする効用が見込まれます。さらに、生のトマトより市販のトマトジュースのほうがリコピンは豊富で、リコピン摂取量の1日あたりの基準(15ミリグラム)も、生トマトでは3個ほどですが、トマトジュースならコップ1杯で得られます。しかもリコピンは温めても栄養分が減りません。オリーブオイルを加えて温めると、吸収率は4倍以上に上昇します。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「生活習慣病の症状緩和のためにできること。効率的に野菜の栄養素を摂取して生活改善」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2018年 8/30号“どっち?”の健康学生活習慣病秋津壽男野菜カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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