幼少期、鶏小屋でニワトリと一緒に育てられる。チキンガールと呼ばれた少女の悲劇とその真相(ポルトガル) (3/5ページ)
当時の大統領夫人、マヌエラ・エアネスが、リスボンのリハビリセンターにマリア・イザベルを収容できるよう尽力し、この件で大きな役割を果たした。
・まるでニワトリのような少女の行動
施設で彼女を診察した医師たちは、少女の行動や、重度の精神障害にショックを受けた。
「これまで観察したことから、少女は情動的にも社会的にも見捨てられたことが原因の、知的機能不全に陥っていると言えます。少女の行動は、生物学的に極めて初歩のレベル、つまり動物や人間の一次反応しかできません」リスボンの小児精神衛生センターの所長、ジョアン・ドス・サントスは語る。
ポルトガルの新聞Expresso紙は、「極めて恐ろしく悲しい事態であるにもかかわらず、マリア・イザベルは泣くことすらしなかった。泣くという行為は人間同士のコミュニケーションの最初の形だ。彼女は生まれてこのかた、人間との接触が皆無に等しかったせいだろう」と書いている。
さらにショッキングなのは、マリア・イザベルの挙動が、まさにニワトリそのものだったことだ。
小刻みに歩き、翼をバタバタさせるように常に腕を動かす。話すことはできず、鳥のようなクワックワッという声を発するだけ。
少女は鳥のエサを与えられていただけだったので、発育障害もあり、10歳だというのにその知能は2歳児レベルだったという。

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・徐々に人間らしさを回復しているマリア
保護されてから10年たっても、マリア・イザベルはまだ鳥のような仕草や行動をした。小刻みに素早く歩き、腕をばたつかせる行為は治らない。
だが徐々に回復し、27歳になって、やっと普通に歩けるようになり、攻撃性もなくなってきた。