【小説】国芳になる日まで 〜吉原花魁と歌川国芳の恋〜第21話 (5/5ページ)
- タグ:
-
小説
「でも」、
国直は明るい声で打ち消した。
「代わりにおめえみてえな威勢の良い元気なのが来てくれた。国貞兄さんも、本当は救われたような気持のはずだ。他の皆も、勿論俺だって嬉しいさ」
「本当(ほん)に?鯛兄イ、おいら、あの工房に居てもいいのか」
「それアてめえ、もちろんだ。もちろんだともよ・・・・・・」
国直は手を伸ばし、芳三郎の頭を優しく掻き撫ぜた。
歌川国直二十一歳、芳三郎十六歳。
歌川豊国の門下に入ってようやくひと月経ったこの日、芳三郎はのちに歌川国芳となる第一歩を踏み出した。
日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan