「ビジネスの仕方がとにかくエグい」 作家が取材の先に行きついた「マネーのモンスター」 (2/5ページ)

新刊JP

ベンチャーを立ち上げて若くしてものすごい額のお金を稼いでいる方とかに会いましたが、驚きばかりでした。平気で億単位の話が出てくるし、世界の見方も違う。

それで「怪物」的な人の存在について取材を進めていくと、ある一人の実業家に行き着いたんです。おそらく若い方だと知らないのではないかと思うのですが、とにかくビジネスの仕方がエグい。資産のガードに長けた金持ちではなく、情弱の貧乏人から金を絞り取る。しかも非情で狡猾で、妥協を知らない。

僕はもともと『週刊新潮』で記者をしていたので、バブル期に儲けまくっている人に数多く会っています。彼らは法に触れることをしたり、暴力的な手段も使って人を従わせたりしていたんですね。
しかし、その実業家は頭脳明晰で違法なことはしない。当局が“司法テロ” と呼んで恐れた手法で弱者からお金を巻き上げて、骨の髄までしゃぶり尽くす。でも犯罪ではないから、公権力も手を出せない。すごい怪物がいるものだと思いまして、その人物を参考にすれば面白い小説が書けるのではないかと考えたんです。

――その怪物に戦いを挑むのが4人の主要登場人物です。本作の主人公ともいえる有馬浩介は35歳で元大手紙の新聞記者。うだつの上がらないフリーのジャーナリストですが、4人の中でも彼を中心にしたのはなぜですか?

永瀬:彼は金融・投資についてはズブの素人。しかし、ものすごい取材力の持ち主で、それが唯一の武器でもあります。単純ではあるけれど、その武器でどんどん金融の知識を身に付けていきながら、難所を突破していく。取材を通して成長していくんですね。だから、有馬を中心にすることで、ページを繰る毎に読者が彼の成長を通して金融の世界について知ることができるという作りにしたんです。

――有馬たちの「プロジェクト」のリーダーは凄腕投資家の城隆一郎(46歳)です。ほとんどの人はこうした投資家と接する機会はないと思いますが、取材で実際に会われた永瀬さんは彼らの世界をどのように見ていますか?

永瀬:お金のあるところにお金は行くんだなと。億単位の莫大なお金を稼いでいる人は寸暇を惜しんで勉強しているし、頭もキレます。体力も欲望も底無し。メンタルも鋼のごとく強靭。

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