「ビジネスの仕方がとにかくエグい」 作家が取材の先に行きついた「マネーのモンスター」 (4/5ページ)

新刊JP

――永瀬さんは元週刊誌の記者ですが、今の週刊誌についてはどのように見ていますか?

永瀬:『週刊新潮』にいたんですけど、僕がいた頃とは時代が違いますからね。当時は事件物の記事が多かったけれど、今は食べ物や健康ネタが目立つようになりました。あとは動物ネタとか。随分と様変わりしてしまいましたね。

――週刊誌の読者が高齢化したこともあるんでしょうか。

永瀬:そうですね。この『特捜投資家』の主要人物4人って、みんなアラフォーですよね。昔の週刊誌は彼らのようなアラフォーの働き盛りが読んでいたんです。今の週刊誌は事件物の記事があまり載らないですよね。一番取材していて面白いのは事件物で、なぜかというと何が起こるか分からないからです。取材を断られるような情報だから読者が喜ぶはずなのに、今は編集会議の段階で「これは取材できますね」という安易なネタが多いように感じます。
この小説でいえば、有馬も「こんなの無理だ、不可能だ、できるわけがない」というところから調査を開始するわけですが、有馬に自分の記者魂みたいなものをぶつけています。

――確かに有馬は最初迷いを感じつつ取材を始めて、壁にぶち当たりながら乗り越えていきます。

永瀬:そうそう。世の中が「こんな情報取れるわけがないだろ」というところから取ってくる。週刊誌や新聞の記者はそうあるべきだと思います。それでメシを食っているプロなんだから。そういう意味でも、有馬が城によって突然調査を言い渡されて、もがきながら少しずつ真実に近づいて行く様子はぜひ読んでほしいですね。

――永瀬さんもそのような取材をされていたんですか?

永瀬:当時は1週間2本記事を担当していたんですけど、事件物ばかりでした。とりあえずネタを、当事者と関係者の話を、取ってこいと言われて現場に行く。葬式の現場に行って塩をまかれようが、怒鳴られようがとことん行きます。でも行くと、不思議と取れるんですよね。

僕がいた当時、斎藤十一という伝説の編集者が新潮社にいたんですね。

「「ビジネスの仕方がとにかくエグい」 作家が取材の先に行きついた「マネーのモンスター」」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る