“紀州のドン・ファン”はまだまだ? ホンモノのお金持ちの真の姿とは (2/4ページ)

新刊JP

クールな美貌と巧みな弁舌で豊富な人脈を築き、成功した男たちを渡り歩く「サクセス・ジャンキー」。バツイチ。
 
兵頭圭吾
板橋区大山で学習塾を経営する冴えない中年。秘めたる野望を抱きながらも、若者の教育に情熱を注ぐ。妻の雪乃はなかなかの美人。
 
城隆一郎
凄腕の個人投資家。数百億の資金を動かし莫大なカネを稼ぐ生粋の一匹狼。その過去は謎のヴェールに包まれている。“金融界のイチロー”。

――有馬の作中の成長はすごいですからね。

永瀬:彼自身も四面楚歌じゃないですか。でもこの物語の中で覚悟をして勝負をかけた。

――逆に凄腕投資家である城隆一郎は、絶対に必要な存在でありながら4人の中では少し異端的な感覚も受けました。

永瀬:それは彼が感情や善悪ではなく、お金を価値基準としているからでしょう。ゴルゴ13のような感じです。人間味は少しあるけれど、基本は金儲けオンリー。「金=自由」が信念になった理由は……ネタばれになってしまいますので、そこはぜひ小説を読んでほしいですね。

――「失敗続きのバリキャリ美女」五反田富子は4人の中で唯一の女性です。

永瀬:彼女は人脈を築き上げて自分の地位を高めていく女性起業家ですが、やはり苦労しています。日本は女性がトップになりにくい国ということは、政界を見ても、財界を見ても、一目瞭然ですよね。実力と向上心のある女性ほど、ガラスの天井に苦しめられている。それでも諦めずにとことん頑張る、めげない女性のキャラクターを描きたかったというのはあります。

――「うだつの上がらない学習塾経営者」兵頭圭吾は、城と同じ46歳ですが、真逆のような感じで人間味もある人物です。

永瀬:この兵頭と城はただならぬ関係なんですよね。でも、4人とも最初に物語に出てきた時の印象と、実の姿が明らかになったあとの印象はガラリと違ってくるのではないかと思います。

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