山中慎介×板垣恵介「10年に1度の無慈悲なKOはすごかった」最強“漢”対談 (3/6ページ)
それに、当時、俺の親父が倒れてさ。これで俺が潰れたら全員が潰れる状況だったんだ。でも、俺はそのとき、面白いことになってきたって思えたんだよ。当時の担当に「ここから這い上がれたら、絶対にカッコイイぞ」って言った覚えがある。
山中 そういう後のない危機感は、僕も常に持っていました。プロデビューの時点で、1敗したら引退しようって考えていましたから。結局、2つの引き分けはあったけど、チャンピオンになってからも常に危機感を持ち、それを楽しんで試合に臨めました。だから、強くなれた部分はあったと思います。僕は追い込まれなきゃダメなタイプなので、試合も強い相手と組んでもらうようにしていましたね。
板垣 山中選手は、なんか急に強くなって目立ち始めた印象があるんだよ。アマチュアの頃は、そうでもなかったでしょ?
山中 大学時代はサボってたって言うか、ボクシングに対する情熱がなかったんですよ。なんとなく消防士の試験も受けたけど、勉強もしてないから、当然落ちるわけです(笑)。大学の4年生で全国大会に出ても、練習はしてないんで負けました。そのときに後悔して。そこでプロになったんです。
板垣 プロ入りするとき、トップアマは鳴り物入りでジムへ入るけど、山中選手はそんな感じじゃなかったよね。
山中 当時の帝拳ジムは、アマでも実績を残したトップレベルばかりで、まったく目立たなかったですね。
■キックボクサー那須川天心とスパーリング!?
板垣 当時の写真を見ると風貌も違うんだよ。なんていうか……ただのアンちゃん。そこらを歩いているような、チンピラみたいなのよ。人前で光を浴びてきたオーラがまだない。やっぱり守るべきものができると強くなるんだ。俺は『バキ』の中で夜の営みを知ったほうが強くなれると描いたけど……あれはまあフィクションだからね(笑)。
山中 いやいや、あのシーンは最高でしたよ(笑)!
板垣 ボクシングと言えば、試合前にすると弱くなるって説と関係ないって説があるよね。