人生100年時代を健康に過ごすために知っておきたい「口の中」の大切さ (3/4ページ)
イヌ型やチンパンジー型が遺伝してしまっても、小さい頃にしっかりと矯正をしてあげれば、改善され、ヒューマンになることが期待できます。そうすると、その子供はヒューマンスケールになる可能性が高くなる。一代で進化(退化?)したものは、一代で戻せるのです。
だから、私はこの理論を広めることができたならば、30年で舌ストレスのない世界を作ることが、可能だと信じています。
■歯は命の入り口、すべての健康のもと ――舌ストレスを軽減するために自分でできることはありますか?安藤:歯の形を変えないといけないので、基本的には無理です。できるとしたら薄いマウスピースをすることですね。歯の尖ったところをナイフだと喩えると、その上に布団をかけるわけです。ただ、それを24時間つけるのは現実的ではないです。やりすぎると、歯の咬み合わせも崩れる危険性もあるので、注意が必要です。
だから、ガッカリさせて申し訳ないのですが、読者の方が自分一人でできることはほとんどありません。だからこそ、この「舌ストレス」の問題意識を高め、世の中に浸透させていって、地域ごとにいらっしゃる歯科医師の先生が、ケアできるような状態をつくらないといけないんです。患者さん自身ではなかなかできないことですから。
――TVやメディアなどで、さまざまな領域の専門医の人は、自分の領域の話だけをするというお話がありましたが、そうした情報を取り上げていくメディアの風潮というものに対して懸念することはありますか?安藤:風潮として懸念することは、センセーショナルに表現するところですかね。この言い方は適切かどうかわかりませんが、歯科に関しては、これまで一般の人があまりに無頓着だったという部分はあると思います。「痛くならないと歯医者へ行かない」と言う人は、今でも多いのではないでしょうか。なので、むしろちょっとだけ煽ってもらって怖がってもらうくらいが、ちょうどいいのかもしれません。
――歯や舌の怖さという点で、安藤先生の危機感の認識と、一般の方々の認識はどのくらいズレているという感覚ですか?安藤:前述したように、舌に関することは歯科医師やほかの領域の先生といったプロでも、あまり認識していないことですから。