シュレーディンガーの猫ならぬシュレーディンガーの細菌が量子生物学の重要な一歩となるかもしれない(英研究) (6/7ページ)
人間や大きな動物においては、分子の量子効果は取るに足らないものになってしまうかもしれない。しかしもっと小さな細菌でなら、それが生きる上で量子効果が大きな役割を担っていたとしてもそれほど意外ではないだろう。
さらに一歩進めようという研究もある。たとえば緩歩動物という小さな水生動物を重ね合わせてしまおうという実験がある。緩歩動物が細菌よりも数百倍も大きいことを考えると、細菌における量子もつれよりもはるかに難しいことだ。
またファローは細菌の実験をもっと改良する方法を模索している。彼によると、来年には細菌を光ともつれさせるのではなく、2匹の細菌同士でもつれさせたいと考えているそうだ。
「それは現実がどのような性質を持っているのか理解するためのもの」だとファローは語る。もちろん、物質の根本には量子が存在する。しかし生きている生物の中で量子効果がどのような役割を担っているかは大きな謎だ。
たとえば、「自然選択によって、量子現象を自然に利用する生物システムが誕生しているという可能性がある」とマーレットは話す。先ほどの緑色硫黄細菌もその一例かもしれない。

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・生物における量子の探求は始まったばかり
しかしそれを明らかにするには、小さなものから始めなければならない。そして、数百万の原子をもつれさせることに成功した最近の実験のように、徐々にマクロレベルの実験へと引き上げていく。
生物を構成する分子が意味のある量子効果を発揮していると証明することは、次のステップとして非常に重要なことだ。そうした古典的な量子の領域を探求することで、マクロレベルの量子とはどういうことなのか理解を進めることができる。