もしマニュアル外の対応を迫られたら…? 接客のプロが指摘する「OK接客」「NG接客」 (2/5ページ)
たとえ難しい問題が解けなくても、基礎点をしっかりと積み上げることができれば、平均点は取れるのではないかと。それは接客も同じで、基礎を疎かにしてしまい点数を積み上げられないから「残念な接客」になってしまうように思うのです。 ――接客に限らず、仕事そのものに当てはまる例ですね。
七條:そうなんです。それに、向上心のある人は自分なりにどんどん学びますから、『接客の一流、二流、三流』も接客に対して興味や関心が高い方には読んでもらえたのではないかと思っています。ところが、接客初心者や改善が必要な人など、もっとも読んでほしい人にはなかなか届かないという歯がゆい思いがありました。
――先ほど、オーナーさんや現場のリーダーの方々からの悩みの声を受け取ったとお話されていましたが、スタッフの指導が難しくなっているのでしょうか?七條:自分も仕事をしながらのスタッフの育成は難しいという話はよく聞きます。また、どのような言い方で指導をすれば効果的なのか、モチベーションを下げないようにするには、という悩みもよく聞きますね。「ならば!」ということで、接客の基本にフォーカスした本を書いて、朝礼やミーティングなどで使ってもらいたいと思ったのです。
――「残念な接客」の例を一つあげてもらえますか?七條:たとえば、「お客さまを名前でお呼びする」。これは、個別対応という面では良しされていますけれど、それさえしていればすべてがOKというわけではありません。以前こんなことがありました。不特定多数の人がいる病院の待合室で、女性の患者さんに向かってスタッフが「○○さま~!尿検査終わりましたか?」と…。大きな声で名前を呼ばれた患者さんは恥ずかしいだろうなと思いました。
「気にしないよ」という方ももちろんいらっしゃると思いますけれど、全員がそうではないはずです。名前を個別で呼ぶことは、患者さんとしてひとまとまりではなく、あなたを個人として「大切にしていますよ」というメッセージを伝えることです。「大切にしている想い」が抜け落ちて「名前でお呼びする=いい接客」という知識だけが上滑りした残念な事例ですね。