ビートたけしの名言集「本質を見抜く『こいつは○○に似てんな』」 (1/2ページ)
「何だ、久しぶりに見たら、天知茂みて~な顔しやがって!」
2年程前、殿と楽屋にてぼーっとテレビを眺めていると、何かの歌番組で、とあるビッグアーティストが、往年のヒット曲の数々を次から次へとメドレーで歌っている映像が目に飛び込んできました。どの歌も耳に覚えのあるそのヒットメドレーに、改めて〈○○ってすげえ~な。何曲ヒット曲あんだよ!〉と、感心しているわたくしに殿はポツリと、冒頭の言葉を漏らしたのです。一瞬、〈○○が天知茂似?〉と、殿の独自の感覚にとまどいながらも、よくよく気にして見てみると、確かにどことなくその方が天知茂さんに見えてくるから不思議でならず、それ以来、○○さんをテレビで見かけると、もう天知茂が歌っているようにしか見えず、大変困っている次第です。
殿が時折放つ、「こいつは、誰々に似てるな」といった“顔の見立て”は、かなり独自なケースがまれにあります。わたくしが思うに、殿は輪郭が似ているとか、顔のパーツが似ているからとかだけでなく、もっと本質的なものをその人の中に見つけ、「あいつに似ている!」と指摘しているようでなりません。要するに“こいつとこいつはどっちも、テレビで笑顔を振りまいてはいるが、きっと裏でカミさんを殴ってる同じタイプである”といった見立て。ですから、殿がよく言う、「人間、顔見りゃだいたいわかる」にたどりつくのではないかと。以前、顔に関して、殿はこんなことも言っていました。
「芸人は基本、舞台なんかで、大勢の客前に出て勝負するから、ほっとくときつい顔になるんだよ。それでも落語や漫才なんてのは、舞台で一段高いところからやるからまだいいけど、大道芸人なんかは、客と同じ目線の高さで、近い距離でやるだろ。だから、どんどんきつい顔になるんだよ」
と。さらに、
「一番すごいのは、町中で物売ってるヤツの顔だよ。昔、いたろ? 町中でいきなり物売り出すヤツが。あーいう商売は客を引き付けて、最後には買わせるとこまで持っていくから、一番しんどいんだ。だからその手の商売のヤツは、目つきがどんどん鋭くなるんだよ」
とも。“その手の商売”とは、わかりやすく言えば寅さんであり、テキヤ的職業です。