「夢中になれるものが見つからない」と悩む人たちへの小説家のメッセージ (3/5ページ)

新刊JP

――デビューをして、研究者と小説家という二足のわらじを履くわけですが、作家として自分はやっていけると思った瞬間はいつでしたか?

伊与原:作家としてやっていけていると思ったことはないです(笑)。ただ、その質問が「作品をこれからも書き続けていける」という意味だったら…うーん、それもないかな。一作一作書き終え続けて今に至るという感じなので、確固たる自信を持ったことはないですね。

――勤めていた大学をやめたのは?

伊与原:小説家としてデビューして、幸い何社かから執筆のお話をいただけたのですが、やはり二足のわらじは難しかったんです。デビューから1年くらいは大学にいて、昼は大学で授業や研究をして、夜に帰って小説を書くという生活をしていたんですけど、身体的にもきつくて、これはどっちかに絞らないとダメだ、と。それで小説家を取りました。

――大学をやめる決断はすんなりできたのですか?

伊与原:そうですね。研究に対して未練はありましたけれど、すでに職場としての大学に対してはまったく未練がなかったので。

――科学の研究ってどんどんアップデートされていきますよね。普段は最新情報をどのように収集されているのですか?

伊与原:ずっと読み続けてきた科学雑誌が何冊かあるのと、あとはツイッターですね。ツイッターで科学クラスタをフォローしていると、最新の面白い情報が流れてくるんです。あとは研究成果だけでなくて、疑似科学に関してもチェックしています。僕自身はツイートをしていないんですけど、科学クラスタをフォローすることは大事かなと思います。

――ネット上でたびたび問題になるのが、「科学」と「科学っぽいもの」の違いの見分け方です。その中で「科学」よりも「科学っぽいもの」が信じられてしまうことも多いのですが、これは私たちの情報との向き合い方の問題なのか、それとももっと違うところに問題にあるのか。伊与原さんはどのようにお考えですか?

伊与原:違うところの問題だと思います。「これは間違いだよ。

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